年々増加する訪日外国人旅行者は、宿泊業をはじめとする観光業に大きな経済効果をもたらす一方で、サービスの提供方法や業務フローのあり方などに様々な変革を迫っています。また、世界的なツーリズム業界においては、航空や宿泊業者に対して予約とともに代金支払いが裏付けされる「クレジットカード」の決済スキームがスタンダードとなっており、JTBグループにおいてもこれらの取引基準に合わせていく必要があります。

私たちは金融・決済のノウハウやITテックを活かして、それらの課題への解決策を提案しています。

例えば、宿泊施設向けには外国人向けの決済ニーズをいち早くサービス化し、DCC（ダイナミック・カレンシー・コンバージョン：多通貨決済）サービスによって、外国人からも確実に代金を収受できる決済ソリューションを提供しています。また、カード発行を行なわずにカード番号を自動発番し、代金支払いを裏付けした形で大量の予約を同時に処理できるVCN（Virtual Credit Number）の仕組みを使用し、グループの様々な業務部門に対する決済ソリューションを提案しています。

旅行、宿泊等の観光業や金融・決済の分野では、ビジネスの高度化や業務の複雑化が進み、単にシステムを導入しただけではそれらの課題を容易に解決できなくなっています。その一方で、システム構築においては、他のシステムとの連携、さらには協業先のシステムとの接続が必要となり、ますます複雑さが増しています。

私たちは、金融・決済サービスを利用している顧客（ユーザー）にとっての課題を解決するため、ICTを活用した最適な解決案を提示し、その実現に向けてシステムベンダーとの開発プロジェクトをマネジメントしています。また、それらのシステムが安定稼動するよう日々の運用もマネジメントします。そして、日々変化するニーズにも対応するため、APIの活用やブロックチェーン、AI等、最新のテクノロジーを習得し、その可能性の検証、導入等にも注力しています。

私たちは、それぞれの事業のライフサイクルに合わせて事業を取捨選択し、事業ポートフォリオ（構成バランスの最適化）を変化させ、より収益を上げられる事業を育成しています。そして、将来の収益を見込める新たな事業を生み出すため、“自前主義“に拠らず、自らが持つ資産を提供しながら、外部のビジネスパートナーが持つ優れた知見やノウハウを借りて、提携や協業等の形で事業育成を推進しています。

その一環として、ビジネスコンテストによるスタートアップ企業との実証実験や、海外のビジネスパートナーとの協業の検討等を実施し、情報ネットワークを広げてビジネスシーズを蓄積。社内の様々な部署からメンバーを募り、プロジェクトを組成することでビジネスモデルを磨き上げています。